吃音・治療

副会長に立候補し、全校生の前でスピーチ

思い起こせば、吃音の最初のトラウマは、

小学5年生の時に副会長に立候補した時の演説スピーチだと思います。

 

私は、自分でいうのもなんですが、小学校の時の私は、

元気で明るく、面白く、勉強もできて、クラスの人気者でした。

 

5年生になって、クラスから1名、生徒会の役員として副会長の選挙に

立候補者を出すことになりました。

 

前年の生徒会副会長の立候補スピーチで、当選した一学年上の生徒の演説が

本当に面白く、先生と生徒の笑いの渦を巻き起こしていました。

 

「自分もあんなスピーチをして、多くの人を巻き込みたい。」

 

そんな願望をもっていました。

 

クラスで副会長候補を決める際は、当然立候補しました。

当時学級委員もしていた私は、クラスの他の副会長立候補希望者との多数決を制し、

クラスの副会長候補となりました。

 

立候補演説は二週間後。

二週間の準備期間は友達と遊ぶのも控えて立候補のスピーチの準備をしていました。

 

原稿をつくり、さあ、声にだして話す練習をしようと意気込んだのですが、

いざ、声に出そうとすると、つかえてうまく話せなくなっている自分に気がつきました。

 

校庭で、全校生徒の前で、朝礼の台の上からスピーチをする自分を想像するだけで

足が震えていました。

 

このままではスピーチは失敗する

 

そんな考えが頭をよぎりました。

 

立候補演説の当日、青い顔をして全校集会のステージに向かいました。

5年2組だった私の演説は二人目。

1組の生徒は優等生的な落ち着いたスピーチをスムーズに終えました。

 

いよいよ私の演説です。

 

出だしでつかえてしまいました。

 

「こ、こ、こ、こんに、こんにちは。」

 

スピーチの出だしで吃音症状がでてしまったのです。

それからは、暗記していたスピーチ内容を忘れ、ポケットから原稿を取り出しながら

必死に言葉をたどっている感じでした。

 

そして決めのフレーズ。

 

「か、か、か、蚊取り、蚊取り線香はキンチョーを

よ、よ、よ、よろしく。

ふ、ふ、ふ、ふく、ふくぎっちょうには、

さとうをよろしくお願いします。」

 

まばらな拍手を背に演台を降りたことをよく覚えています。

 

選挙の結果、当選したのは5年生、6年生の480名の投票者のうち、

200票以上を獲得した1組の生徒でした。

 

佐藤への投票はわずか53票。最下位でした。

 

吃音との戦いのはじまりでした。

 

立候補演説を終えて、大失態した佐藤を、友人の一人はこういいました。

「サトちゃん、すごいよかったよ。一生懸命さが伝わってきた。よかったよ。」

 

涙が出るくらい嬉しくて、涙がでるくらい有難かった友の言葉でした。

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2011年8月28日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:佐藤の日記

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